2018年9月17日 報道ステーション

2018年9月17日 報道ステーション

2018年9月17日、報道ステーションの報告です。
この日は自民党総裁選挙に立候補している、安倍晋三首相と石破茂元幹事長がスタジオに登場し、論戦を戦わせました。
では、内容を早速見ていきましょう。

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【VTR】
富川悠太アナ:さて、この後は自民党総裁選前、最後の生討論です。

(CM)

富川アナ:選挙、最終番ということで、今日安倍総理は青森に行かれて、石破さんは銀座で遊説されて、お疲れの中、お越しいただきありがとうございます。

小川彩佳アナ:ありがとうございます。

富川アナ:お二人に、たっぷりとお話を伺っていきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いします。
それでは、総裁選について伺って参ります。あの、どこの局でも言われてると思うんですが、たくさん伺ってたくさん聞きたいことがありますので、できるだけ1分程度に抑えていただいて、論戦を交わしていただければと思っております。まず、最初に入ってきたこちらのニュースからご覧ください。
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【VTR】
①00:18:06
斎藤健農水大臣:私はある安倍応援団の一人に言われました。「齋藤よ、内閣にいるんだろ。石破さんを応援するんだったら辞表を書いてからやれ。」と、こう言われました。私は、「ふざけるな」と。
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【スタジオ】
富川アナ:これ、現役閣僚の発言としては異例のことだと思うんですけれども、安倍総理が任命された齋藤大臣のこの発言はどうお聞きになりました?

安倍首相:あの、本当にそういう出来事があったのかどうかね、陣営に聞いたんですよ。知ってる? 皆そんなことがあるはずはないって、大変怒ってました。で、もしそういう人がいるんであれば、名前を言ってもらいたいですね。で、私どういう意図で言ったのって私も確かめてみたいと思います。で、実は、まあこういう発言があったから申し上げますが、齋藤さん。あの、総裁選が始まる前に、私のところに来られました。そこでですね、私は安倍政権の閣僚として一生懸命仕事をしてるし、安倍総理が進めている方向性、私は正しいと思うと。その上で申し上げるけど、まあ自分は政治の場の中において、義理でもあるし、そういう中で生きてるので、石破さんを支持しますと。ということで、ご了解願いたいと言っておられましたんで、それはもう、政治の立場って、政治家の立場っていろいろあると私は十分に知ってますよと。どうぞ、全力でやってくださいと。まあ同時に、農水大臣としても全力でやってくださいねっていうことを申し上げた。で、これは実はですね、野田聖子さんも、あの、総裁選に出るという意欲を明確に、総裁選が近づいてから、発表する前に私のところに来られました。まあこれは応援するというよりも本人が出るという話なんですが、自分はあくまでも、まあ挑戦したい。それは、自分は閣僚の一人として、総理大臣に挑戦するということになるけども、それはまあ、前もって申し上げておきたいと。まあ同期だってこともありますから、まあどうぞと。えー、この、じゃあ、中々手強い相手になるけど、頑張ってねと、という話をしました。ただ、それは後藤さんがよく承知の通りですね、自民党の総裁選っていうのは、中々厳しい戦いではありますが、しかし、それでもそれぞれ、私はですね、内閣の一員といえどもですね、総裁に出るチャンスはしっかりと生かして頑張ってもらうと。フェアに論戦していけばいいんだと思うんですが。こういう話、よくあるんですが、何か圧力をかける。あの、小泉さんが橋本さんと最初にやりましたね。私も小泉応援団だったんですが、そのとき、我々もですね、一度、結構圧力かけられてるよねってことを皆言ったんですが。(00:18:38~00:20:54)

富川アナ:そのときはあったんですね。

安倍首相:いや、ほとんどないんです。ないけど、我々もですね、そう言った方がですね、いわば、陣営がかわいそうだなってことにもなりますし。ただ、実際にあったかもしれませんし、私には全くなかったな。あの実際に。で、私総裁選挙、7回ぐらいかな、投票してるけど、3勝4敗で負けてますけども、ほとんど関係ないですから。あの、負けた方についても。ご承知のように、後藤さんが担当していた平成研と清和会と戦ってましたけれども、私たち一回も勝ってませんから。しかしそれでも、ちゃんと隆々とですね、森さんも総理になったし小泉さんも私もなってきました。どうか、活発にですね、堂々と論戦をしていただきたいと思います。(00:20:55~00:21:38)

富川アナ:実際にあったかどうか分からないということですが、石破さん。圧力があったかどうか齋藤大臣からはお聞きにはなってますか?

石破氏:聞きません。ただし齋藤健さんっていう人は、作り話をするような人では絶対にない。それは閣僚として、ああいう場に立つわけです。ありもしないことを言うような、齋藤健という人では全くない。それは彼がそう言ったからに、そういうことはあったんでしょう。そこでね、それじゃあと。じゃあ誰なんだという話ですがね。これは仕組みがなんか財務省のセクハラ疑惑に似てるような気がするんですよね。それは名乗り出なさいっていうよなね。被害者が名乗り出なさいっていうような。で、それはもう齋藤は、誰ってことは言わないですよ。そこはね、彼のいろんな配慮があったんだと思う。それじゃあ言っちゃったらどうなるんですか。もうそれこそ党内めちゃくちゃでしょうよ。そんなことはね、あってはならないことだし、齋藤さんはあったってことを言ったわけです。私はね、閣僚ってのは、何派であろうと、国家国民のために働くものだと思いますよ。何であろうと同じ自民党同志なわけですからね。自民党公認で当選してきてる。他党でも何でもないわけ。その人が、本当に国家国民のために良い仕事をしてる。そういう人に対して、それはね、風物詩のようなものだとか、そういうことはよくあるんだとか。そうだとしても、そういうことがある自民党であってはならない。そういう自民党にしたくない。私はそう思います。(00:21:45~00:23:09)

安倍首相:ただですね、名前を言われないためにですね、いろんな人が疑われていて、週刊誌から「あんたが言ったんだろう」と。こう言われてるんですよ。非常に嫌なことになってるんですね。これ自民党総裁選、私最後の総裁選ですから、そんな総裁選にはしたくないんですよ。ですから、これはお互いに、戦いですからいろんなことがあってもですね、こういうことをもし言うんであれば、どういう文脈の中で言ったかどうかって、分かりませんよね。やっぱり彼に対して、その、若くして大臣になりましたから。若いってのは当選回数がね。ですからその中で、そういういろいろ、ジェラシー等もあるんだと思います。そういう世界ですから。それを前提にね、自分は大臣になってないのに君は大臣になったんじゃないかという人もいるかもしれない。これは分かりません。全くね。でもそういう推測をどんどんどんどん、広げていくことが果たして自民党にとって良いことなのかどうか。ですからそれだったら、別に、犯罪を侵して、セクハラは犯罪ですから、犯罪ではないわけですからね。ですからそういう、それについては、やっぱり誰々がこういったって言えば、で、言われた人は、それは反論すればいいじゃないですか。自分はこういうつもりで言った。で、このままだとですね、なんか、皆が、我々の陣営がですね、そういうことをやってるかの如くの雰囲気を作るというのは、あの本当にそれは、総裁選がですね、何か、嫌な感じになってくるなあと。我が党自体がですね、私というよりも、我が党自体が、これは毀損されるというふうに心配はしています。で、どの道ですね、私、齋藤さんを批判してるのでは全然ありません。私のところにそういうふうに言ってこられた。これは立派だと思ってますよ。それと非常に、ますます、ですから彼がそういうことで嘘をついたとは思ってません。でも、どういう話し合いの中であったかっていう文脈を見なければいけませんし、それ以外のことを言ってんです。それ以外でいろいろ、そういう圧力があったねって、誰が誰に対して言ったかって全然ないじゃないですか。それについては懸念してます。(00:23:09~00:25:02)

後藤謙次氏:我々が非常に懸念するのはですね、過去に現職総裁にチャレンジ型の総裁選選挙ってのは、必ず選挙後にいろんなしこりがあったこと。極端に言えば怨念が残るという状況の中で、総理はずっと、選挙後の人事について適材適所って言葉をおっしゃってるんですが、挙党体制って言葉は一度もお使いになってませんね。その人事について、やっぱり挙党体制で臨まれるんでしょうか。

安倍首相:あの、適材適所です。で、挙党体制ってのはですね、適材でなくても、いろんな、言わば派閥均衡なんですよね。後藤さんが活躍していた時代の話です。それは申し訳ないんですが。で、小泉さんの時代からそれは変わりました。一つの派閥から全くとらないっていうこともあった。それは、そのときの時代時代に、その時々にですね、合わせて優秀な人材を活用したいというのが、総理大臣の気持ちなんですね。その中でどういうバランスを取っていくかっていうこと、だと思います。挙党体制っていうのは、派閥均衡っていう言葉とほぼイコールなんです。ですから、それはですね、もう私は、そういう立場は取りません。しかし、適材適所でやっていきたい。派閥均衡で果たして、かつては派閥均衡が批判されたわけですよね。ですから適材適所は当然ではないのかなあと思ってます。(00:25:26~00:26:16)

富川アナ:そこはね、石破さんも防衛省長官に小泉さんから任命されて、非適材適所ってのは非常に感じたということですが、今の自民党でそうやって、何か圧力があるような、そのものが言えないような、雰囲気があるのかないのかっていうところで、あったらもちろん困るというところで・・・

安倍首相:皆結構言ってるじゃないですか。まあ、皆さんのブログ等見ていただければですね、そうとう辛辣な批判もしてる方がいます。だからどうっていうこともないですし、私だってですね、若い議員の頃、野中さんやなんかに歯向かってきましたよ。それは。あのときのね、平成研集団の方が、私の時代よりもね、全然強いですよ。
(00:26:31~00:26:51)

②00:27:00~
富川アナ:今、安倍政権は、3期目に入るかどうかという総裁選を戦われてるわけですけれども、長期政権っていう意味でね、小川さん。

小川彩佳アナ:そうですね。さらにまあ、総裁選で総理が勝利されるとさらに長期政権ということになりますけれども。

富川アナ:石破さんにお聞きしましょうか。

小川アナ:そうですね、やっぱりその、長く権力の座にいる方が同じ方ということになりますと、当然その、当人のあずかり知らないところで、例えば忖度が起きたりですとか、癒着の構図が作り上げられてしまったりですか、そうしたことが起きてしまうということ、今の例えば、スポーツ界でも度々話題になることでもありますけれども、そうしていくことがない、そういうことがなくなるためには、どうするべきだというふうに・・・

石破氏:それは間違っていることは間違っている。これは違いますよっていう人を使うことですよ。私も随分大臣やりましたけどね、秘書官たちは、大臣それは違いますよっていう人たちを使ってきました。全て大臣の言うことが正しいですって人は使ってこなかったです。それは、秘書官であれ、局長であれ、一般の公務員たちであれ、それは誰のために働いてるかっていえば、国家国民のために働いているのであってね、それが国民がそうだよねと。日本政府っていうのは、分け隔てなく、皆に公平に接しているよね。本当に困った人、苦しい人も思い分かってるよね。それを判断するのは国民なんですよ。国民がその政府を、本当に我々に対する味方だよと。自分のためじゃなくて、政権のためじゃなくて、まさしくとして働いてるかどうか。それを判断するのは国民なのであってね、我々があれこれ言うべきことじゃありません。ですから、適材適所ってのはそういうことなのだと思います。ですから、国税庁長官の方が、一回も記者会見を開かない。それおかしくないですかね。それは国民の税金を集めて、そういう立場の方が、一回も記者会見に応じられない。なんでこれが適材なんですか。能力のある方でしょう。きっとね。だったらば、国民の前に出て、いろんな説明をすべきじゃないですか。それが本当に国民の方を向いてるって判断できますか。私は総理がおっしゃる適材適所のが、本当に国民が納得するものであればいいなあと思ってます。(00:27:34~00:29:10)

安倍首相:それがですね、ただ、私の秘書官たちはですね、私に対してですね、何も言わないかの如く議論になりますけども、そんなことはありません。私の秘書官たちは極めて優秀でですね、お国のために命を懸けてますよ。本当に。過酷な仕事です。ですから、これ、総理、違いますよってことは、皆さんハッキリ言います。その中で議論しながらですね、我々も政策を進めていますから、そこは誤解があったらですね、彼らの、彼らだってですね、人生賭けるんですから、それは少し、私は失礼ではないのかなと思いますね。(00:29:10~00:29:41)

③00:29:42~
富川アナ:あの、国税庁長官の話が出たので、森友・加計問題についても触れておきたいんですけれども、世論調査をこの週末に行ったところですね、森友・加計問題への総理の説明について、納得していないという方が78%全体でいた。自民党支持層に限ってみても、70%いる。これは、どうして丁寧にね、謙虚にと繰り返し説明をしていらっしゃると、何回も発言をされてきましたけれども、このように浸透していないと思われますか。

安倍首相:あの、やはりまず、私の妻自体がですね、名誉校長を引き受けていた。そして、獣医学部の新設についてはですね、私の友人であったということで、疑念の目が向けられてもしょうがないんだろうと思います。一方、例えば、森加計、森友問題については4000ページのですね、資料が公開されました。掲載文書等々含めてですね、しかし、どこにもですね、皆さん読んでいただければ分かるんですが、どこにも私の指示があった、あるいは妻の依頼があったということは、全く書いていない。また、加計問題の問題についてもですね、プロセスについては、これは議事録を全部公開をしておりますが、そこにおいてはですねプロセスは正しかった。これは、座長もですね、一点の曇りもないということを明確に述べておられます。もしかして申し上げましたように、そういう疑念を持たれてる。その数字も真摯に受け止めたいと思いますし、まあ私も、確かに至らない人間でありますし、こうしておけば良かったなあと、もっと良いやり方があったのではないかという、自らに問いかけなかった日は一日ともありません。あの、まあ「李下に冠を正さず」というですね、そういう思いで、新たな任期に挑んでいきたいと、こう思っています。
(00:30:09~00:31:34)

④00:31:35~
富川アナ:この政治姿勢について、後藤さん質問ありますか?

後藤氏:はい。あの、これまでいろんな政界を巻き込むこういう問題、スキャンダル等ありましたけれども、総理が直接関与せずにですね、つまり周辺のひとがたに対して、起きた問題について、総理に対する不信が起きるっていうのは非常に、ある種珍しいパターンだと思うんですが、これはおそらく国民の多くがですね、党内の決定、あるいは官僚の機構の決定に際して、きちっとしたプロセスが踏まれてないんじゃないか。形式的にはプロセスは正しいんだけれども、その奥にですね、総理に対する忖度とか、巨大な総理像に対する怯えとか、そういうものが起きてしまってる。ですから、なかなかこれをどうするかってのは難しいんですが、行政。政治の最高責任者として、今後再選された場合にですね、どう対処されていくのか。そこをきちっとお伺いしたいと思います。

安倍首相:まず、プロセス。まあ行政の話を整理いたしますと、まず行政のプロセスっていうことについてはですね、公明で公正でなければならないと。それには心がけて参りました。で、今後さらにですね、公文書の改ざんがあってはなりません。独立公文書管理監がですね、しっかりとこれは、全ての公文書について目を光らせていくということになります。それで議事録についてはしっかりと残す。でその議事録についてもですね、言った言わないにならないように、相手が言ったかってことを、確かめながら議事録を残していくということだろうと思います。そして、党のこともおっしゃった。党においてはですね、私はそれぞれの部会、自民党の部会を、後藤さんも取材をしておられてよく分かってると思いますが、相当皆さん、精通した皆さんが、丁々発止のやり取りをしています。そこで、皆さん政治家としてキャリアを積んでいく。私もずっと社会部会やってきて部会長もやりましたが、相当激しい議論を先輩たちともしてます。それは私は変わっていない。それは自民党の強さです。で、総理大臣がそう考えてるからそうするってことはない。ただ、選挙でお約束したことについては、ちゃんと実行していくということだろうと思っておりますし、今でも自由闊達な議論というのはないないと言われておりますが。あと例えば、後藤さんだって別に私に対してですね、恐れを抱いたりとかしないでしょ、それは普通。(00:32:26~00:33:49)

後藤氏:しません。

安倍首相:しないでしょ?それはそうなんですよ。(00:33:50)

富川アナ:ただその官僚にとってみれば、官邸が人事を握る・・・

安倍首相:ただね、6年っていうのはね、日本では長いんですが、国際的にはそんな長くはないですよ。6年っていうのは。で、最初私、1年で、本当に短いと。こんな短いからダメなんだと、言われていました。で、次の3年はですね、私の最後の任期ですよ。と、そうすると例えばですね、私よりも、その次に誰がなるかっていうふうに、段々興味が実は移っていくわけであります。しかしその中でも、政府がですね、国のためっていうことで皆が仕事をする。そういう環境を私も作るように努力をしていきたいし、忖度を私する立場ではないので、忖度する人がどうかってことについて、私はもうちょっとそれは、おっしゃったようにですね、注意深くならなければいけないと思っています。(00:33:56~00:34:40)

富川アナ:総理云々というよりも、その官邸が、官僚の人事権を握っているっていう、そこを変えなければいけないっていうのも石破さんはおっしゃっている・・・

石破氏:それは、客観的な評価は必要でね。事後的な検証も必要でね。適材適所でございました、以上おしまい。そうであってはならないでしょうよ。本当にそうだったのかってことを検証も必要です。人事ってのは、外の目も入れていかなければ客観的な評価はできません。それと同時に、何もそういう幹部級だけではなくてね、一人ひとりの働く公務員たち。今回の問題で、何で近畿財務局の職員が自ら命を絶たなきゃいけなかったんですか。何でそういうことをやらなきゃいけなかったのか。私はそんなことはできない、ということで命を絶ったわけですよね。そこに忖度もなんにもないのです。そして何で命を絶たなきゃいけなかったのか。その人の人生があって、家族があって、幸せがあって。じゃあそういう人達が、どうしてこんなことになんなきゃいけなかったのかということも、きちんと明らかにしていかなければいけないことであってね、適材適所、以上おしまい。そうであっていいはずがない。そして一人ひとりの官僚たちのが、本当に自分のためではない。国家国民のために働いてるんだねっということを判断するのは国民なんです。国民がそう思うかどうか。そのことが唯一の判断基準です。(00:34:47~00:36:06)

富川アナ:ちょっと一旦CM・・・

安倍首相:ちょっと一点だけ言わせてください。ちょっと大切なことなんで、これは言わせてください、私に。

富川アナ:次の3年間で何を成し遂げていきたいかっていう、今のことも含まれるかもしれませんので、CMの後、お聞きして参ります。

(CM)
⑤00:38:19~
富川アナ:内閣の人事権について。

安倍首相:はい。これはですね、内閣人事局が置かれたという歴史を見ていただきたと思うんですが、それは行政改革。あるいは政治改革を行うなかにおいてですね、やっぱり縦割れが酷かったんですから。それを変えていく。さっき、例に出ました。齋藤さんもですね、日経新聞でその話をしておられましたね。そういう縦割れを排すために内閣に人事局を置いた。で、政府が変われば、国民にお約束をした公約を実行してく。優先順位はいろいろあります。そのなかで、適材適所にしていく。例えば、日露の交渉を進めていく、例えばですよ。っていうことあれば、やっぱりそういう人材をちゃんと、党に置こうと。交渉する立場になりますよね。外務人事官が。ということになっていく。今まではですね、それを関係なく行われてたんですよ、実は。まあですから、人事局を置いた。でも、一定の人事の基準の中で、大臣がまず決めます。そのどうかという、任命をどうするかということについて、総理と官房長官が検討しますが、それを変えるということはですね、実はほとんどないんですよ。ですから、それはですね、よく分かっていただきたいと思います。(00:38:20~00:39:30)

⑥00:39:31~
富川アナ:あの、かなり時間が押してきてしまいましたので、できるだけ多くのことを聞きたいので短めに。すみません。お願いできたらと思います。で、9条改憲についてもお聞きしたいんですけれども、ここは、スケジュール感に絞って伺って参ります。あの、総理はですね3年のうちにこのチャレンジをしたいとおっしゃっていますが、ということは、つまり3年の間に、憲法を改正しないこともあり得るという意味に捉えていいんですか?

安倍首相:あの、まあ3年のうちにチャレンジしたいことであってですね、これはまあ思い通りになりません。3分の2という、とっても高いハードルで。我が党3分の2ありませんから、参議院ではですね。ですから、与党でまず、賛同を得られるかという高いハードルがあります。で、できるだけ多くの議員に賛成していただきたい。で、そもそも、憲法というのは普通の法律と違いますから、最後は国民の皆さんが一票を投じて決めるというものですね。ですからそこで、賛成を得られるかどうか。まあこれが一番大きなハードルだと思いますが、まずはですね、国民の皆さんも、議論するためには、条文をお示ししなければ、議論のしようがないんだろうと思います。そこで、我が党もですね、ずっと、憲法の推進本部でですね、ずっと議論をしてきて、最後は、この補佐さんがですね、一任を受けて、4項目についてイメージを示しました。でそれを、党大会で報告をしたわけでありますけれども、これに則ってですね、私はもうこの総裁選において、この主張をしております。この総裁選の結果を受けてですね、さらに議論が進んでいくことを期待しています。(00:39:55~00:41:07)

富川アナ:スケジュール感でいうと、石破さんは9条改正については喫緊の課題ではないと。もっと手のつけやすいとこからいくとおっしゃってますけれども、戦争体験者のいらっしゃる間に変えるべきだともおっしゃっています。となりますと、この3年で変えていくという考えはないということですね?

石破氏:いや、そうではないんです。ただ、私たち、戦争を全く知らない世代だけで、この9条を変えていいかってのを、私はずーっと十何年間悩み続けてきた。やはり戦争の惨禍を経験された方がおられる間にやりたいっていうのは、私の強い思いなんです。だとするならば、どれだけきちんきちんと国民にご説明していくかです。私いま、当選11回ですけど、選挙のときに、憲法について語らなかったことは一度もない。私の選挙区自衛隊も何もないんですけどね。これ、一番基本ですよ。憲法に正面から向き合うってことは、日本国にどれだけ真剣に向き合うかってことですからね。どんなに票にならなかろうがなんだろうが、必ずそれを訴える。それで国会議員になってきた。自民党として、本当に憲法を変えたい。そういうことであれば、300小選挙区。参議院議員。皆がきちんと説明をする。必要なことじゃないですか。そして、総裁が、去年の憲法記念日に、ビデオで突然おっしゃいましたよね。一項二項をそのままにして、三項に自衛隊を加える。そんときに、新聞を読めっておっしゃいました。で、私たちは、総裁にご説明ください。我々自民党の議員にご説明くださいって申し上げたのが去年の夏のことでした。ですから、総裁がご自身の言葉でご説明いただく。そして我々がいろんな質問をする。それでお答えをいただく。まず自民党の中からきちんと議論を詰めていく。そういう丁寧なことをやっていかなければ。それは時間がどんなにかかってもいいというものでもありません。どれだけきちんきちんと皆が、選挙区で、自分の言葉で説明できるか、そういうことだと私は思います。(00:41:23~00:43:16)

富川アナ:ただ丁寧な説明をしていくと、3年の改正は難しいと。

石破氏:分かりません。それはどれだけ丁寧に、一生懸命やるかです。今でも、世論調査をやったときに、総裁のお考え。自民党の考え。自民党の考えって憲法改正草案の考えですよ。支持は同じなんです。全く一緒なんです。で、ゼロか、半分かではない。同じものをどれだけやっていくかってことであって、どれだけ国民の方々にご理解をいただくか。如何にして侵略戦争をしないか。そして外敵が来た時に、冒頭のお話であったように、必ずそれは排除する。そのための力をどれだけ持つか。そういうお話を、きちんと一人ひとりが理解をした上で、主権者たる国民に説明するのは自民党の義務ですよ。(00:43:20~00:44:05)

⑦00:44:05~
富川アナ:時間が無くなってしまったんで、後藤さん、この3年間で、どこがポイントだと思われますか?次の3年間で。

後藤氏:あの、3年間でやはり、総理は大学で言えばもう4年生になるわけですね。この3選目、果たされると。つまり、そろそろ卒論を何か考えなきゃいけない。つまり、総理はまだ、なんか次の大学院に進学するような、次のことのプランをされてるんですが、これまで、例えば拉致の問題、北方領土の問題含めて、どういう形で出口をお考えになってるのか。それをきちっと、お答えいただきたいと思います。

安倍首相:まずですね、あの、内政においては、人生100年時代を迎える中において、社会保障を全世代の方に3年で改正して参ります。そして、気候の変化、気象の変化に対応してですね、災害に強い、そのための国土強靭化の緊急対策、3年集中で・・・(00:44:37~00:45:00)

後藤氏:すみません、私がお聞きしてるのは、これまでに打ち出されたことをどういう結末をつけられるかということなんです。

安倍首相:今申し上げた通りです。それは。ですから3年集中で講じていきます。そして、東アジアにはまだ、冷戦終結後もですね、戦後のわだかまりが残っている。戦後外交の総決算を行なっていくということは申し上げたいと。この3年でつまり、北朝鮮の問題についてもです。拉致問題の問題を含めて、私の使命だと思っていますから。これは、必ずやり遂げたいと思います。そして、日露の間に残っている領土問題を解決して、平和条約を締結をしていくということ。そして、まさに世界は大きく変わっているのはですね、保護主義が台頭していった。だから日本こそ、自由貿易の旗手として世界のルール作りを主導していきたいと、こう思っています。(00:45:05~00:45:54)

⑧00:45:55~
後藤氏:あの、北朝鮮については、金正恩委員長とですね、総理自身が向かい合ってとおっしゃってますけれども、その向かい合うための、プロセスってのは我々に全く見えてこないんですが、どの程度まで進展しているんでしょうか。

安倍首相:これはですね、申し上げないんですが、これを見せることはできません。小泉総理が金正日委員長とですね、会談を行うのは、会談が決まった、訪朝することが決まってからですね、副長官である私すら知らなかった。ですから、こういうことはですね、今どうなってますよ、誰とやってますよと言うことはできない。ただ、あらゆるチャンスをですね、私は逃すべきではないと。こう思っています。(00:46:06~00:46:33)

富川アナ:その北朝鮮に対しても、拉致問題しかり、日露の北方領土問題にしかり、次の総裁、総理になる方に、かなりやっぱり、期待は高まってきますので、またあの、総裁、選ばれた際にはまたお越しいただいて、じっくりとお話をお聞かせいただけたらなと思います。今日はお疲れのところ、時間ない中、ありがとうございました。(00:46:52)

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今回の放送の問題点は、大きく分けて2点あります。
1点目は、今回の討論会で取り上げられたテーマが偏りを感じるものだった点。
2点目は、討論会中の富川アナや後藤氏の発言が石破氏寄りであったように感じられた点。
以上の2点です。

まず1点目についてですが、今回の討論会で最初に取り上げられたテーマは石破陣営の斎藤健農林水産大臣に対する恫喝疑惑についてでした。ここでは安倍首相がそんなことはあり得ないと否定していましたが、石破氏は斎藤氏を擁護。議論は平行線に終わりました。このように安倍首相が否定したり、守勢に回るような話題が非常に多くありました。詳細は同時に配信した円グラフをご覧ください。
確かに安倍首相の発言時間は多く、番組側として一定の配慮が見られる部分もありました。しかし、番組側が提示する論点が偏ってしまっているとすれば、非常に問題だと思われます。

次に2点目についてですが、後藤氏が両候補に質問したのは計4回ありました。(2回は聞き返しあるいは相槌のみ。)
後藤氏はその4回の質問はいずれも安倍首相に質問を行っています。
その中でも
後藤謙次氏:我々が非常に懸念するのはですね、過去に現職総裁にチャレンジ型の総裁選選挙ってのは、必ず選挙後にいろんなしこりがあったこと。極端に言えば怨念が残るという状況の中で、総理はずっと、選挙後の人事について適材適所って言葉をおっしゃってるんですが、挙党体制って言葉は一度もお使いになってませんね。その人事について、やっぱり挙党体制で臨まれるんでしょうか。
という質問はこれまでの安倍首相の人事が挙党態勢でなかったという印象を与えることになる可能性があります。つまり、この後総裁選挙に投票するであろう自民党の党員に「安倍首相は党のためになっているのか」という疑問を与える可能性があったのです。
また、
後藤氏:はい。あの、これまでいろんな政界を巻き込むこういう問題、スキャンダル等ありましたけれども、総理が直接関与せずにですね、つまり周辺のひとがたに対して、起きた問題について、総理に対する不信が起きるっていうのは非常に、ある種珍しいパターンだと思うんですが、これはおそらく国民の多くがですね、党内の決定、あるいは官僚の機構の決定に際して、きちっとしたプロセスが踏まれてないんじゃないか。形式的にはプロセスは正しいんだけれども、その奥にですね、総理に対する忖度とか、巨大な総理像に対する怯えとか、そういうものが起きてしまってる。ですから、なかなかこれをどうするかってのは難しいんですが、行政。政治の最高責任者として、今後再選された場合にですね、どう対処されていくのか。そこをきちっとお伺いしたいと思います。
という質問からは安倍首相の政治姿勢に対し、多くの人々が違和感を持っているような感覚を視聴者に与える可能性があります。確かに、森友・加計問題の首相の説明に納得していない人が多いという世論があるのは確かです。しかし、加計学園問題にはかつて地方創生担当大臣を務めていた石破氏が関係しているという声もあります。なぜそのようなことに番組は切り込まず、安倍首相ばかりに質問、疑問を投げかけたのか。現職の総理大臣ということを差し引いても、納得できないような部分がありました。

したがって、今回の放送は今回の放送は放送法第4条2項「政治的に公平であること」第4項「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に抵触している可能性があります。

今後も監視を続けます。

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